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SaaSの売上指標のMRRとは?

SaaSの売上指標のMRRとは? 業務

SaaS企業と関連のある方はよく聞く言葉だと思いますが、MRRが何かご存じでしょうか?

何かの頭文字を取ったものだとは想像できると思いますが、この記事でMRRの内容について解説します。

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MRRの内容

まず、MRRについてですが、Monthly Recurring Revenueの略で、日本語で「月次経常収益」と言い換えられます。

簡単に言うと、毎月経常的に発生する売上ですね。

月額の料金が決まっており、契約期間中は一定して発生するものを指します。

従って、単発で発生する初期導入サービスやコンサルティングサービスなどは除かれるのが一般的です。

身近な例でいうと、Amazon Prime会員になっている方も多いと思いますが、あの月額の会費もAmazonにとってのMRRになります。

MRRの4つの内訳

では、そのMRRを構成する4つの内訳についても解説します。

MRRの名称 内容
New MRR 新規のMRR
Downgrade MRR 下がったMRR
Expansion MRR 上がったMRR
Churn MRR なくなったMRR

この4つになります。

1つ目のNew MRRは新規に獲得したMRRになります。

2つ目のDowngrade MRRは現状よりも下位のサービスやプランへの変更をされた場合のMRRです。

3つ目のExpansion MRRは反対に現状よりも上位のサービスやプランへの変更をされた場合のMRRです。アップセルと呼んだりもします。

4つ目のChurn MRRは解約によりなくなったMRRです。

これを踏まえて当月のMRRの計算方法は下記のようになります。

当月のMRR=前月のMRR+①New MRR-②Downgrade MRR+③Expansion MRR-④Churn MRR

実際には毎月のMRRを足し合わせて算出することのほうが多いと思いますが、増減理由はこの4つに分解して検証する必要があります。

MRRの具体例

MRRの内容が分かったところで、次に具体例を見ていきましょう。

具体例で説明しますと、下記のように取引先からの収入があったとします。

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
A社 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 1,200
B社 200 200 200 200 200 200 200 200 200 200 200 200 2,400
C社   140 140 140 140 140 140 140 140 140 140 140 1,540
D社     200 200 200 200 200 200 200 200 200 200 2,000
E社         100 100 100 100 100 100 100 100 800
F社           120 120 120 120 120 120 120 840
G社             180 180 180 180 180 180 1,080
H社               150 150 150 150 150 750
I社                     200 200 400
J社                     200 200 400
合計 300 440 640 640 740 860 1,040 1,190 1,190 1,190 1,590 1,590 11,410

この場合、各月の合計額がMRRとなります。

先ほどの計算式に当てはめると、2月のMRRは300(前月のMRR)+140(New MRR)=440となることが分かります。

傾向としましては、基本的に計上的に発生する売上になりますので、同じ取引先からは定額の売上が計上されることになります。

従って、上記のように同一の取引先では月ごとの売上は変動せず、一定となるのが普通です。

取引先ごとに売上が異なるのは、選択しているサービスプランの差や、値引き等の交渉があった結果となります。

これをグラフ化すると、下の図のようになります。

どんどん売上が積み重なって大きな売上になっていくのが分かると思います。

MRRとは

実際にはチャーンと呼ばれる解約もありますので、このように純粋に積み上がり続けるものではないですが。

ARRとは

次にARRについてご説明します。

MRRと似た言葉ですが、こちらはAnnual Recurring Revenueの略で、日本語では「年次経常収益」と呼ばれます。

こちらの算出方法は2パターンあります。

  • 過去の1年間のMRRを足し合わせたもの
  • 直近のMRRを12倍したもの

過去について言及しているのか、現時点について話しているのかで変わります。

去年のARRは?と聞かれれば去年の1年間の実績をもとにしたARRを答えるべきですし、今のARRは?と聞かれれば、直近のMRRを12倍した数字を答えるべきです。

ここはケースバイケースになりますので、注意が必要です。

まとめ

以上が、MRRについての説明になります。

MRR自体は主に投資家が参考にする指標となりますが、SaaSビジネスを理解する上では重要な指標となりますので、この記事で理解していただければ幸いです。

そもそものSaaS業界について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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