経理で仕事をしていると、「ROIを計算して」という依頼を受けることがあります。
ROIとはどのように算出し、どんな意味を持っているのか分かりますでしょうか?
この記事では、ROIの計算方法と活用法について解説します。
ROIとは?
まず、ROIとはそもそもどのようなものでしょうか?
正式名称はReturn On Investmentの略となっており、日本語では投資収益率と呼ばれます。
投資に対する利益の割合を意味しており、ROIとは投資効果を測定する指標となります。
ROIの計算方法
ROIの計算方法について解説します。
計算式は以下のとおりです。
利益には粗利(売上-売上原価)を使うことが多いのですが、営業利益を使ったり、該当のプロジェクトに関する利益のみを使用したりすることも可能で、柔軟な使用方法が出来ます。
- 具体例1
売上 100万円
売上原価 40万円
投資額 30万円
ROI =(100-40)÷30×100 = 200
ROIは200%。つまり30万円の投資で60万円の粗利を達成したということですね。
- 具体例2
こちらは広告宣伝費用に30万円投資したと仮定します。
売上 100万円
売上原価 40万円
投資額 30万円
ROI=(100-40-30)÷30×100 = 100
広告費を使った投資効果を図りたいので、粗利から30万円を引いたものを利益として使用します。
このようにROIを計算することで、広告費を投入した投資効果を計ることが出来ます。
ROIの活用法
ROIの求め方は上記のとおりですが、ROIをどのように活用すればよいでしょうか。
ポイントは2つ。要素の分解と範囲の明確化です。
ROIの要素を分解する
ROIは投資効果なので高いほうがいいですよね。
従って、利益を上げるか、投資額を下げることが必要です。
利益を分解すると、売上を上げるか売上原価を下げるということになります。
このように要素を分解し、取り組むべき課題点を明確にしていくことが重要です。
ROIを求める対象を明確にする
ROIの計算方法で記載したとおり、利益を粗利にするのか営業利益にするのかで結果が変わってきます。
このように、単純に粗利を使うのではなく、事業部単位の利益で計算したり、プロジェクト単位の利益で計算したりするなど、その投資の範囲を特定することが重要です。
そうすることによって、ROIが意味を持ち、投資効果の有無を判断できることになります。
ROE、ROAとの違いについてはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
ROIの計算方法と活用法について解説しました。
ROIの計算自体は簡単ですが、どのように使用するかで計算のやり方は変わってきます。
目的意識をもってROIを活用していきましょう。