IPOを目指す会社は多いですが、なぜ目指したいのか皆さんご存じでしょうか?
創業者利益を得たいということも1つの要因ではあると思いますが、もちろん他にも要因はあります。
そこで、この記事ではIPOのメリットデメリットを解説していきます。
IPOのメリット
まず、IPOのメリットですが、主に5つあります。
- 資金調達能力の向上及び財務状況の改善
- 知名度や信用度の向上
- 社内管理体制の強化
- インセンティブプランの活用
- 株式交換制度の活用
資金調達能力の向上及び財務状況の改善
まず1つ目のIPOのメリットは資金調達能力が向上し、財務状況を改善させることが可能になることです。
上場時に証券市場から資金調達できるのはもちろんですが、増資を行ったり、新株予約権付き社債を発行したりと、色々な形で証券市場からの資金調達が可能となります。
そのため、会社の財務状況を充実させることができ、安定的な経営を行うことが可能となります。
知名度や信用度の向上
上場することで、会社の知名度が上がり社会的な信用が高まります。
知名度が上がればビジネスにおいても好影響を与えますし、人材採用の面でも優秀な方が集まりやすくなります。
そのため、さらなる会社の成長につながることとなります。
社内管理体制の強化
上場するためには、社内の管理体制がしっかりされていることが必須となります。
従いまして、上場準備の過程で社内の管理体制が強化され、組織としての動きができるようになります。
一部の優秀な社員に偏っていて仕事が組織として回せるようになることで、より会社の成長へと繋げることができます。
インセンティブプランの活用
上場することで、ストックオプションや、従業員持株制度などの株式を利用した報酬制度を導入することができます。
株価の上昇が社員の利益へと繋がるため、会社への帰属意識を高め、より組織に貢献する働きが期待できます。
株式交換制度の活用
自社の株式が客観的な市場価値を持つようになることで、企業買収時に株式交換という選択肢が取りやすくなります。
これにより、経営の選択肢が増え、スピード感を持った経営ができるようになります。
IPOのデメリット
IPOにメリットがあれば、もちろんIPOにもデメリットもあります。
IPOのデメリットとして考えられるのは主に4つです。
- 会社情報の開示義務が発生する
- 経営権を奪われるリスクが発生する
- 株主への配慮が必要となる
- 上場維持のためのコストがかかる
会社情報の開示義務が発生する
株式上場することで、四半期ごとに決算発表を行う義務が発生します。
自社の売上や利益率が公に開示されることになりますので、経営の好不調が世間に知れ渡ることにあります。
経営権を奪われるリスクが発生する
株式が市場で自由に売買されることになりますので、株式の過半数を取得されることで経営権を奪われるリスクが発生します。
自社にとってもメリットのあるものであればいいのですが、敵対的買収もありますので、注意が必要となります。
株主への配慮が必要となる
上場することで、ファンドや企業、個人と様々な株主が存在することになります。
経営方針を決める際はもちろん、株主総会の運営などにも株主への配慮が必要となり、経営者の自由な経営はできなくなります。
上場維持のためのコストがかかる
上場することで、証券取引所への賦課金の支払が発生したり、監査法人への監査報酬の支払いが発生することになります。
また、社内においても、開示業務にあたる社員や内部監査の人件費の増加など、社内コストも増加することになります。
まとめ
以上が、IPOのメリットデメリットとなります。
IPOのメリットに目が行きがちですが、デメリットもしっかり把握したうえでメリットが上回るのか慎重な判断が必要となります。