アイドルグループのTOKIOの長瀬智也さんがジャニーズ事務所を2021年3月に退所することが発表されました。
それに合わせて、TOKIOの残りのメンバーでジャニーズ事務所内に株式会社TOKIOを設立することも発表されました。
この記事では株式会社ジャニーズ事務所と株式会社TOKIOの事例を参考に、資本関係について整理していきます。
株式会社ジャニーズ事務所の範囲
まず親会社の下に子会社や関連会社があり、それらをまとめて連結グループと呼ぶのですが、大きく分けて2つの区分があります。
- 連結の範囲
- 持分法の範囲
連結は財務諸表を合算して連結財務諸表を作成していき、後で内部取引分を消去します。
持分法は1行連結などと呼ばれたりしますが、当期の利益分だけ連結財務諸表に足し上げる処理をします。
連結の範囲
連結の範囲に含めるべき子会社は以下の3つの条件を満たす会社になります。
- 原則すべての子会社
- 支配が一時的、もしくは含めるとかえって連結財務諸表がゆがむ会社は除く
- 重要性が乏しい会社は除く
このため、基本的には子会社すべてが該当すると覚えておけば大丈夫です。
子会社の判定基準
連結の説明で出てきた子会社という言葉ですが、子会社に該当するかどうかは次の基準で判定します。
この実質支配力基準ですが、株式を50%超保有しているかどうか、もしくは実質的に意思決定できる状態にあれば子会社とみなせます。
持分法の範囲
次に持分法の範囲に含める会社が次の2つの会社です。
- 子会社のうち連結の範囲に含めなかった会社(非連結子会社)
- 関連会社
連結の範囲に含まれなかった子会社のことを非連結子会社と呼びますが、重要性が乏しかったとしても損益だけは持分法として取り込む必要があります。
関連会社の判定基準
持分法の説明で出てきた関連会社という言葉ですが、親会社の関連会社に該当するかどうかは次の基準で判定します。
- 議決権の20%以上50%以下を所有する会社
- 議決権が20%未満であっても、会社の方針決定に影響を与えることのできる会社
つまり意思決定までは操作できないが、影響力を与えることが出来る会社が関連会社に当てはまります。
株式会社TOKIOは子会社それとも関連会社
ではこれらを踏まえて、株式会社TOKIOは株式会社ジャニーズ事務所の子会社なのか関連会社なのかを考えてみましょう。
今のところTOKIO株の持ち分は発表されていませんので、パターン別に解説します。
株式会社TOKIOが子会社の場合
子会社の場合は、株式会社ジャニーズ事務所が意思決定を出来る立場にあればよいことになります。
従って次のような持分であれば子会社となります。
- 70% 株式会社ジャニーズ事務所
- 10% 城島茂
- 10% 国分太一
- 10% 松岡昌宏
株式の50%以上を保有しているので子会社になりますね。
株式会社TOKIOが関連会社の場合
関連会社の場合は、株式会社ジャニーズ事務所が意思決定は出来ないが、方針に影響力を与えられる立場にあればよいことになります。
従って次のような持分であれば関連会社となります。
- 40% 株式会社ジャニーズ事務所
- 20% 城島茂
- 20% 国分太一
- 20% 松岡昌宏
議決権の20%以上50%以下を所有する会社に当てはまりますので関連会社ですね。
まとめ
以上が資本連結を考えるうえで必要な、連結と持分法の範囲の説明となります。
連結と持分法、子会社と関連会社の組み合わせは複雑ですが、ジャニーズ事務所を例に覚えてしまいましょう。
株式会社TOKIOの持ち分がどのような割合になるのか分かりませんが、ジャニーズ事務所が一定の影響力を持つことは想像できますので、子会社になるのか関連会社になるのか楽しみですね。
皆さんもこの記事で資本関係への理解が深まれば幸いです。