導入する会計システムが決まれば、次に検討するのはその会計システムでの新しい業務フローです。
新しくせずに既存の業務フローを踏襲することも考えられます。
ただ、せっかく新しいシステムを導入するのであれば、その会計システムの特徴やセールスポイントを活かした業務フローを設計しないと宝の持ち腐れとなりもったいないです。
業務効率化できるチャンスでもありますので、積極的に新しい業務フローを設計しましょう。
会計システムの選定についてはこちらの記事で解説しております。
新業務フローの構築の目的
新しい業務フローを構築する目的は主に2点です。
- 新しい会計システムの特徴を活かすため
- 既存業務の業務効率化のため
会計システムを導入したからにはそのシステムでできることを最大限に利用すべきです。
例えば、新しいシステムでは銀行振込のFBデータがシステムから出せるようになったという変化があったとします。
今まではシステムから出せなかったために、請求書を見ながら振込データを作ることになっていたと思いますが、新しい会計システムではシステムから出す業務フローにしないと、せっかくの機能が使えず、工数もかかり無駄な状況となります。
このように新しいシステムで出来ることは取り入れていく必要があります。
また、既存業務の効率化においても同様です。
上記の振込データの例も当てはまりますが、既存のシステムでできないから工数をかけて行っていた業務があるはずです。
そこをシステム導入をきっかけに変更してしまいましょう。
上記は極端な例かもしれませんが、新しいシステムでできることは導入のタイミングで変更してしまうのが二度手間にならず効率的です。
業務フローの設計方法
業務フローを新しくするとなってもどこから手を付けていいかわからないと思いますので、1つのやり方をお伝えします。
- 業務のスタートとゴールを設定する
- 途中のチェックポイントを検討する
- その最短ルートを考える
大まかには上記の3点となります。
これを先ほどの振込データを作成するという業務で具体的に考えてみたいと思います。
まず、業務のスタートとゴールですが、以下になります。
- スタート:請求書を受け取る
- ゴール:取引先に振込
途中のチェックポイントは次の2点とします。
- 請求書の振込先と会計システムに登録されている振込先が一致していることを確認する
- 請求書の金額と振込金額が一致していることを確認する
この最短ルートを考えると例えば次のような業務フローになります。
- 経理部は請求書を回収する(スタート)
- 経理部は回収した請求書に基づき仕訳を計上する
- 上長は計上された仕訳の金額と振込先をチェックし、仕訳を承認する(チェックポイント)
- 財務部は承認された仕訳を基に、振込データを出力する
- 上長は振込データを承認し、取引先に振込する(ゴール)
こうして新しい業務フローが完成します。
慣れるまでは既存の業務フローに影響されたものを考えてしまいがちですが、1から作るつもりで考えるのがポイントです。
新しい業務フローを設計する際の注意点
新しい業務フローを設計する際の注意点としては、関係部署との調整を必ず行っておくことです。
他部署にとっては、従来通りの連絡や成果物がくるものと考えておりますので、それが急に変わると対応できない場合があります。
従って事前にどのような変更が発生するのかを伝えて、了承を取っておきましょう。
この順番を間違えると、他部署との関係が悪化し、新しい業務フローでの運用がスタートできない可能性も出てきます。
まとめ
会計システムを導入する際の新しい業務フローの構築について記載しました。
会計システムの導入が成功したかどうかを実感するためには、必ず必要なステップとなります。
時間をかけてでも納得のいく業務フローを構築していただければと思います。
新しい業務フローが完成したら、最後に導入準備になります。
会計システムの導入の全体像はこちらの記事で解説しております。
もしシステム移行でお困りのことがあれば、こちらの記事もご覧ください。お役に立てることがあると思います。