仕訳を計上するときやBS残高を確認しているときに、未払金と未払費用といった似たような科目が出てくると思いますが、皆さんはこの違いについて分かりますでしょうか?
どちらも負債科目ですし、お金を払っていない(=未払)状態の科目ということは想像がつくと思います。では、違いは何なのでしょうか。
この記事では未払金と未払費用の違いについて解説します。
未払金と未払費用を使い分けるポイント
未払金と未払費用で異なるポイントを説明すると、その負債が確定しているのか、未確定なのかの違いです。未払金は確定債務に使い、未払費用は未確定債務に使用します。
言葉だけでは分かりづらいと思いますので、具体例で説明します。
未払金の使用例
パソコンを購入した場合、パソコンを買った時点で金額は確定しています。従ってこの場合は未払金を使用します。
備品(パソコン) 20万円 / 未払金 20万円
未払費用の使用例
借入金の利息を半年に1回支払う契約の場合、金額が確定するのは半年後です。ただ、実際には毎月利息がかかっていますので、1か月あたりの利息を計算して未払費用を計上します。
この利息は銀行と合意しているものではなく、見込みの金額を計算しただけのため未確定となり、未払費用を使用します。
支払利息 1万円 / 未払費用 1万円
このような使い分けとなります。
実務上での区別の仕方
一般論としての未払金と未払費用の違いは上記で記載した通りなのですが、実務上での使い分けの基準としては、請求書が届いているかどうかというポイントで判断している企業はたくさんあります。
例えば、パソコンを購入して、パソコンは使い始めているけど、請求書が届いていないという場合は、請求書が届いていないので金額は分かっているが確定はしていないとみなして未払費用を使用することが多いです。
備品(パソコン) 20万円 / 未払費用 20万円
月次決算でも取引先からの請求書が届いていないが、サービスはすでに受けている場合は未払費用で仕訳を計上することが多いですね。
まとめ
未払金と未払費用の違いについて説明いたしました。
この違いを理解して、仕訳を計上するときに迷うことがないようにしましょう。